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February 2000 Journal of Japanese Botany Vo .l75 No. 1 67 短報琉球のシラキについて(山崎敬) Takasi YAMAZAKI: OnS apium japonicum (Siebold &Z UCC.) Pax &H offm. in the Ryukyus 最近奄美大島でシラキを見る機会があっ Sapium japonicum (Siebold & Zucc.) Pax & た.それは葉が厚く表面に光沢があり，本州 Hoffm. のシラキとは異なった感じのものであった. var. ryukyuense Masam. in Trans. Nat. Hist. 調べてみると，正宗巌敬氏が1940年に沖縄本 Soc. Formos. 30: 339 (1940). 島から変種var.ryukyuense Masam.として区 Triandica japonica (Siebold & Zucc.) Baillon 別しているものであることがわかった.初島 var. ryuわlUense(Masam.) Hurus. in Bot. Mag. 住彦氏(琉球植物雑誌 1971;初島・天野，琉 Tokyo 61: 29 (1948). 球植物目録 1994)はこれをシラキから区別し Jap. name: Atsuba-shiraki. ていないが，変種として区別するのが妥当だ Leaves thicker than the typical form，m ore or と思う.標本にしてしまうと判別しにくい less succulent，lu strous on upper surface. が，生品では明瞭である.沖縄本島から奄美 Hab. Ryukyu: Is. Okinawa (1.乱1atsumura，TI)，th e 大島に分布する.西表島にもあるというが， same (T. Miyashiro，TI ); Kunigami，H entona辺土名私は標本を見ていない.正宗氏は葉が大きく -Jashiki謝敷(Kimura& Hurusawa，Se p .t18，19 40，基部が浅心形であると述べ，オオパシラキの TI); M .tYo na与那岳 300m (S. Hatusima Jun. 23，和名をつけているが，本州のシラキと比較し 1955，no . 18246，TI ); Is. Amami，Ka sari-cho笠利町，でも特に葉が大きいこともないし，形が異な Ujuku宇宿 (T.Ohba，A pr. 13，1 961，no . 1775，TI ); ることもないので，この和名は不適当であ Is. Amami，M .tYuwan湯湾岳600m (T. Yamazaki，る.アッパシラキと呼ぶのが妥当であろう. Jun. 29，1 999，no . 4143，TI ). 正宗氏の変種としての記述は正確でないので (東京都中野区・・・・・・1) 改めて記述しておく. 新刊口伊藤浩司・日野間彰・中井秀樹(編):北出典は記されていないが，必要と思われるも海道高等植物 1.シダ植物・裸子植物 77 のは出典がわかるように考慮されている.本 n. pp. (1958-1998). 単子葉植物 288 pp. 書の特色は各種類にそれぞれ番号(植物番号 (1990-1996) .皿.離弁花植物 480 pp. (19 94- と呼んでいる)が付けられていることであ 1993). N.合弁花植物 244 pp. (1987-1993). る.シダ植物は2000~2999，裸子植物は3000 (1 ，l Vは伊藤・日野間編. 1I， rnは伊藤・ ~ 3999，単子葉植物は4000~ 4999などと区日野間・中井(編). 1，￥2，000. 1I，￥10，000. 分けしたなかで番号を付けるという方法で 1lI，￥17，000 1V，￥7，000. たくぎん総合研行っているので，種類の数を示すわけではな究所(干060-0042 札幌市中央区大通西3丁い.この番号づけは電算処理する場合の基礎目道新ビル). として編集者が苦心したところであろう.こ出版された年月からするとやや古いが，一れを使用して電算処理の例を巻末の資料に載般にあまり知られていない著者なので紹介しせている.今までこれほど纏まった北海道のおく.北海道のシダ類以上の高等植物を網羅植物目録はなかったので，北海道の植物研究した目録である.野生植物と帰化植物が含まの基礎資料として欠かせないものである. れている.各種類について学名，和名，異名， (山崎敬) 分布域が記されている.一般に学名や和名の