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On Justicia procumbens L. and J. hayatae Yamamoto PDF

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植物研究雑誌 J. Jpn. Bot. 66: 369-373 (1991) キツネノマゴ,キツネノヒマゴ及びキツネノメマゴについて 山崎敬 東京大学理学部付属植物園 112東京都文京区白山 3-7-1 OnJ usticia procumbens L. and J. hayatae Yamamoto Takasi YA MAZAKI Botanical gardens,F aculty of Science,U niversity of Tokyo. 3-7-1 ,H akusan,B unkyoku,Tokyo,1 12 JAPAN ・ (Received on July 6,1 991) The specimen in the Microfiche of IDC,Li nnaeus 28-14,ha s been treated as the type of Justicia procumbens L. This specimen,h owever,is not referable to the type specimen of the species,be cause it does not agree with Linnaeus's description. Justicia procumbens var. riukiuensis Yamamoto is recognized as av ariety,an d widely occurs泊 theRyukyus,Ta iwan,th e Philippines and Java. Justicia hayatae Yamamoto is ad istinct species and distributed in the Ryukyus,so uthern Taiwan and the Philippines (Is.Batanes). Although this species has been treated as av ariety ofよprocumbens L., this is more dosely related toよprostrata(C. B. Clarke) Gamble rather than toよprocumbens. キツネノマゴは東アジアに広く分布するごく普 リンネの基準標本とされる写真 CICD'sMicro- 通の植物で,Justiciαprocumbens L. (1753)の fiche ;L innaeus,2 8-24)を見ると, これはキツ 名が当てられていて問題ないものとされている. ネノマゴに該当しない.包葉の形からすると J. これはリンネがセイロンの植物をもとに記述した simplex D. Don.かJ.prostrαtα(C. B. Clarke) もので, De Candolle.,P rodrmus 11巻でキツネ Gambleであろうと考えられる.J. simplexとJ. ノマゴ科を担当したNeesがキツネノマゴの学名 prostratαの包葉は狭長楕円形で,白色の縁取の に当てて以後特に問題にされなかったものである. 幅が広く,中脈に沿う緑色の部分は幅全体のうを一 ただ原寛氏は日本種子植物集覧 (1948)で日本の %である.キツネノマゴは包葉は披針形で,白色 キツネノマゴにJ.procumbens var. leucαnthαf. の縁取の幅は狭く,緑色の部分は幅全体の%以上 αjpomcαの名を使い, 日本ではそれが一般に使 である. リンネの標本は包葉は狭長楕円形で,白 用される.なぜ変種としたかの理由は記されてい 色の縁取の幅は広い. この性質はJ.simplexか ないが,引用した異名からみると NeesがJ. J. prostrαtαに相当する. ところがリンネの Sp. procumbensをαから εまでの型に分けた分類に P1.の記載にはbractissetaceisとあってこの標 従い,その内J.jαponicαThunbergが引用され 本と一致しない.標本にはリンネの筆跡は無く, ている3をキツネノマゴに当てたことによると考 採集場所も記されていない.後の誰かがJ.pro- えられる.変種とすべきかどうかは,セイロンや cumbens,S p. P1. ed. 1を見よ,と記入してい インドの標本が少ないので今のところきめられな る. したがってこれを基準標本とするわけにはい かない.リンネのセイロンの標本が無い以上, -369ー 370 植物研究雑誌第66巻第6号 平成3年12月 図1.キツネノメマゴJusticiαhαyαtαeYamamoto. Ryukyu,Is . Ishigaki,U ganzaki. Oct. 14, 1990. Sp. P1.に引用されている Plukenet,Almag. ノマゴが生えていて,両者は住み分けている.環 Phytogr. 2: 1 42,t . 56,f. 3 (1691)を基準に 境の差異による形態の差とも考えられるが, 日本 するのが妥当であろう.この図は細部が描かれて ではキツネノマゴは雑草のように普通に見られる いないので,キツネノマゴ、かJ.simplexかは判 のに,九州南部から琉球以外にはキツネノヒマゴ 断できないが,キツネノマゴとしてもおかしくは は見られないから,単なる環境の問題ではないと ない.何処で採集されたものかはわからない. 思われる. ジャワのキツネノヒマゴは琉球のもの キツネノマゴは日本を東北の限界として,朝鮮, と全く同じである. したがってキツネノヒマゴは 中国,インドシナ,マレーシア,インド,セイロ 琉球,台湾からジャワまでの東南アジアに広く分 ンに広く分布し,地方によって変異が認められる. 布しているものと思う.ただ生育地で実物を見れ 最もよく見られるのはキツネノヒマゴvar.riuki- ば容易に区別できるが,標本での区別は難しいの uensis Yamamotoである.琉球,台湾ではキツ で, この変種の正確な分布範囲はわからない.ジャ ネノマゴよりこの方が普通である.葉はやや厚く ワからは従来キツネノヒマゴの報告は無かった. て小さく,茎はよく分枝して横に広がり,先は斜 Bremekamp (1948)はジャワの Acanthaceaeを 上して,キツネノマゴのように始めから直立する 纏めている.非常に細かに種を分類して vanSt- ことはない.本州で普通に見られるキツネノマゴ eenis (1972)から splitterとして批判されてい は多くは木蔭などの草地に多い.琉球では日当た るが,その細分した種の中にもこれに相当するも りの良い草地や荒れ地にキツネノヒマゴが普通に のは見当たらない.同氏の分類が主に標本での区 見受けられ,キツネノマゴは山地よりの林の下な 別を重点にして行われ,現地での観察が不充分で どのやや日陰の場所に見られるがそれほど普通で あることを示している. はない.同じことを1990年の春,ジャワのチボダ もうひとつ変種として扱われているものにキツ ス植物園での観察でも確かめることができた.日 ネノメマゴJ.hαyαtαeY amamoto (J. procum- 当たりのよい芝生の中にはキツネノヒマゴがよく bens L. var. hαyαtαe (Yamam.) Ohwi)があ 繁殖している.木蔭や小川の脇の草叢にはキツネ る. これは台湾の彰湖島の馬公(馬宮)Makung December 1991 Journal of Japanese Botany Vol. 66 No. 6 371 CBakyu)から報告されたもので,台湾南部の恒 花冠は半ば近くまで裂け,キツネノマゴやキツネ 春半島の海岸にも分布している.初島住彦氏の琉 ノヒマゴが%ほどまでしか裂けないのと異なる. 球植物誌にも記録されているが,そこに記録され 最も大きな特徴は,尊片が小さく長楕円形で短毛 ているのはキツネノヒマゴが混同されていると思 が散生することである.包葉全体に毛のやや多い われるので, 日本には野生しないと記したことが ものもあるが,多くは上半部の縁の毛が目立つだ ある(日本の野生植物ト平凡社, 1981). 1990年 けである.キツネノマゴやキツネノヒマゴでは専 10月に石垣島の御神崎でこれを採集した.海岸の 片は披針形で長い毛がやや密に全体に生えている. 風当たりの強い岩場に多くの枝を這わしてへばり 専片を見れば標本でもキツネノメマゴは容易に区 つくように生えている(図1).花の色や形はキ 別できる.尊片の性質からするとキツネノメマゴ ツネノマゴによく似ている.いままでキツネノマ はキツネノマゴに縁があるよりは,インドから中 ゴやキツネノヒマゴとの違いが充分には認識され 国南部に分布する J.prostratαCC. B. Clarke) ていなかったが,かなり異なるものであることが Gambleに近縁と考えられる.今までの扱いのよ わかった.調べてみると琉球の諸々から採集され うにキツネノマゴの変種とするわけにはいかない. ている(図2). キツネノメマゴはJ.prostratαより葉が厚く,肉 キツネノメマゴは海岸の岩場に成育する.その 質であり,琴や花冠はやや大きい.後者はインド ためかよく分枝して横に広がり密に纏まった株を では芝生などに生える雑草であるが,キツネノメ 作る(図1).葉は小さく,やや肉質で、つやがあ マゴは海岸の岩場にしか見られない.よく似てい り,無毛である.茎も上部を除いて無毛である. るけれど,別種として扱うのがよいであろう.琉 v' -〆 ~ ,s 身 ξ) .b , , • 図 2.Distribution of Justicia hαyαtαe Yamamoto. 372 植物研究雑誌第66巻第6号 平成3年12月 球,台湾,フィリピンのパタン諸島に分布し,島 this way,i t is doubtful whether the specimen にしか見られないのが特徴である(図2). of 1DC Microfiche 28-14 is the type of J. procu- もうひとつ問題なのは属の範囲である. Nees mbens or not. Hence the J. procumbens L. (1847)はそれまでJusticiaとして扱われていた should be based on the description and the illus- ものを10程の属に区別した. しかし Benthamet tration of Plukenet (Almag. Phytogr. 2 :14 2, Hooker,f . (Gen. P1. 2, 1876) はこれらを t. 56, f. 3,1 961) cited in Linnaeus,Sp . P1. Justiciα一つに纏め11節に分類した.Lindau (Pf- 15, 1753. lanzenfam.町, 3-b, 1895)は広義の Justiciα The fol lowing variety should be recognized を採用し, 3亜属と 7節に分類している.Acanth- in J. procumbens L. aceaeを研究したC.B. Clarke (F1. Brit. 1nd. Justicia procumbens L. var. riukiuensis 4,1 885 ;F 1. Trop. Africa 5, 1899-1900) も Yamamoto in Suppl. Ic. P1 . Formos. 2 :3 1 ほぼBenthamet Hookerや Lindauと同じ扱い (1926) . である. ところがBremekamp(1948) はNees Stems diffused,r ooting at the nodes ;le a- の属にさらに4属ほどの新属を加えて分類を行っ ves smaller and more or less thicker. た.広義のJusticiαはStrobilanthes同様かなり Distr. Southern Kyushu,R yukyu,T aiwan, 変化に富んでいるのでNeesの処置も無理のない China,P hilippin 1slands and Java. The whole ところである. しかし Bremekampの分類のよう of its distributional range is still unknown. になると属の範囲そのものがむずかしくなる.キ This variety is more common than var. pr- ツネノマゴ類は細分した場合Rostellulariαにな ocumbens in Ryukyu and Taiwan,p robably se- る. この類はJusticiαの中では特殊な形態を持 ems to extend widely in tropical eastern Asia. つ一群なので,別属としてもおかしくない. しか 1n Ryukyu and Java,t his variety grows in sun- し広義の Justiciαをどう分類しなおすかは全体 ny herbages or sunny and waste places,w hile の分類を試みなければわからないので,現在のと var. procumbens in more or less shady herbages. ころ広義のJusticiαを使用するBenthamand Ho- Both varieties can be distinguished under the okerやLindauの処置に従うのが妥当であろう. living state,b ut it is difficult to discriminate 類縁の形質に重視される花粉の形態は広義のJus- them clearly under the dried specimens. This ticiαではほぼ同じであるという (B.Raj,P ollen two varieties may be differentiated ecologi- morphological studies in the Acanthaceae. Grana cally,h owever,t he plants belonging to var. Palynol. 3: 1 -108, 1961). riukiuensis are not found in Japan besides Ryu- 琉球のキツネノマゴ類の現地を案内して下さっ kyu,a lthough aw eed in Japan. た沢抵安喜氏及びジャワの Acanthaceaeの文献 Justicia hayatae Yamamoto in Suppl. 1c. の世話をして下さった山下貴司,加藤雅啓氏に深 F1. Formos. 2 :34 ,t . 21-23 (1926),u t hα- 謝します. yatai,c um var. ciliatαYamamoto et var. dec- umbens Yamamoto. The specimen photographed in 1DC Microfi- Justicia procumbens L. var. hαyαtαe (Ya- che,L innaeus 28-14, has been treated as the mam.) Ohwi in Bull. Nat. Sci. Mus. Tokyo type specimen of Justicia procumbens L. This no 33 :86 (1953). specimen has the narrowl y 0b long bracts wi th Hab. Ryukyu :1s . Okinawa, Agunijima broad scarious margin. This character is disag- (Amano,A pr. 13, 1949, no. 5951, TNS). 1s. reeable with Linneus's description “bracts setac- Miyako,1 kemajima (Sakaguchi, Aug. 1922, eis" for J. procumbens. Linneus's handwriting no. 27, TNS). 1s. 1shigaki,U ganzaki,o n sunny is not attached to the specimen in addition. 1n rocks along open seashore (Yamazaki,O ct. 14, December 1991 Journal of Japanese Botany Vol. 66 No. 6 373 1990,n o. 6448,T I). Is. Yonaguni (Walkel et 1919, Type var. ciliatα,T I), Osai-Sakwanko, Tawada,A ug. 27, 1951,n o. 6809,T 1; Shima- probably 1s. Penghu (Hayata,J ul. 7, 1919, buku,O ct. 13, 1980, no. 5225,T I). Type of var. decumbens). Taiwan :T aitung hsien ;Is . Lanyu (S. Philippine 1slands ;Is . Batan,D isiay Pt. Sasaki,J une 10, 1926,T I,T NS). 1s. Huosha- alt. 10 m (Suzuki et Sugawara, March 13, otao火焼島 (U.Mori,A ug. 15, 1907, TNS). 198 ,1 no. 47,T 1; Sugawara,n o. 1509,T I) Pingtung hsien ;H enchun,C hiangkou港口 (E. This species resembles J. prostrαtα (C. B. Matuda,A ug. 26, 1915,n o. 495,T I). Hench- Clarke) Gamble ranging from 1ndia to S. China. un,O luanpi (Garanpi) (Y. Yamamoto,A ug. 1t differs from the latter in having fleshy lust- 25, 1925, T1; Moriya,D ec. 31, 1935, no. rous leaves and slightly larger flowers and in 1950,T I). Penghu hsien,1 s. Penghu膨湖島, the habitat growing on sunny rocks along the Makung (Bakyu)馬公 (Hayata,1919, Type open seashores of the islands. of J. hαyαtαe,T I), ibid. (Hayata,J un. 30,

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