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サンスクリット文法 (付 INDEX TO PROF. N. TSUJl'S SANSKRIT GRAMMAR compiled by Kiyoshi YOROI (鎧 淳), BUZAN GENTEN KENKYUKAI (豊山原典研究会), 1977) PDF

634 Pages·1974·15.909 MB·Japanese
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サンスクリット文法 辻 直 四 郎 著 で 岩波全書 280 ni ま え が き 本書は古来インドで文法の三聖と仰がれる大文法家パーニニ(Pふ l).ini, 前5世紀),その補修者カーティアーヤナ(K五ty五yana)および 大注釈マハーバーシア(Mahabha~ya)の著者パタンジャリ (Pataii­ jali, 前2世紀中葉)によって規定され,その流れを汲むバーニニ学 派の人たちに継承された古典サンスクリット(古典梵語 Classical Sanskrit)の概略を記述した文典である.* 本書は一方において古いウ玉ーダ(Veda)の言語(Vedic)に関説 せず,他方において二大叙事詩マハーバーラタ(Mah五bharata)とラ ーマーヤナ(Ram五ya:JJ.a)とによって代表されるいわゆる叙事詩サ ンスクリット (EpicSkt.)の特徴に触れず,文法的に厳格でない作 品の言語或いは一般に仏教サンスクリット (BuddhistSkt.)または ジャイナ教サンスクリット (Jaina-Skt.)と呼ばれるものも考慮に入 れない.要するに本書はパーニニアン・スクールに属する入門書で ある. インドの文法家はSkt.の細部にわたって規定しているが,必ず しも常に実際の使用例によって支持されていない.**逆に優秀な作 家の用例が時に文法家の規格と一致しない場合がある.本書として は余りに実用度の低い細則を省略すると同時に,簡明を旨として必 ずしも伝統的説明に追随せず, また一般に古典作家に認容されてい る語法は十分尊重することとした. 簡便な初歩文法は,英• 独•仏• 日語で書かれたものに限っても, 十指に余るほど多く,本書とほぼ同程度のものには, F.Kielhorn : A grammar of the Sanskrit language. 5th ed. Bombay .1912, * 古代インド・アリアン語としてのSkt.のインドにおける地位について ば拙著「インド文明の曙」(岩波新書), ]).194以下参照・ ** この種の規定の或るものは略字,gr.によって区別した・ iv repr. Varanasi 1970(iibers. von W. Solf: Grammatik der Skt.- Sprache. Berlin 1888); A. A. Macdonell :A Sanskrit grammar for students. 3rd ed. London 1927, repr. 1950; 岩本裕:サンス クリット文法東京1956などがある.Veda語関係の文法・研究書 にいたっては枚挙にいとまがない.歴史文法には W.D. Whitney: A Sanskritgrammar.5th issue. Cambridge(Mass.) 1923を始め し とし, J,Wackernagel-A. Debruimer: Altindische Grammatik. Gottingen 1896-1957を頂点とする数種の著作が出版されてい る, e.g.T. Burrow: The Sanskrit language. London 1954; A. Thumb-R. Hauschild: Handbuch des Sanskrit. Heidelberg 1953 -1959. しかし当然のことながら比較文法・歴史文法の研究者は Veda語に専注し,古典Skt.のみに限った詳細な文典は比較的に 少い.信頼すべきものとしては,パーニニアン・スグールの規定を 忠実に祖述する上記Kielhornの文法〔KSG.〕と,範囲を Veda語の 一部にまで拡げ広義のSkt.一般を対象として,例外の語形・語法 の実例を豊富に収めたL.Renou: Grammaire sanscrite. Paris 1930, 2me ed. 196耳RGS.〕とを推称する.拙著は比較文法・歴史文 法による説明には触れないから,参考書の列挙を避け,伝統的な 記述と近代的解明との両端を代表する前記両書の関係個所を注記 (Notes)の中に挙げて参考に供した.このほか名詞・動詞の用法お よび文論に関しては,J.S. Speijer: Sanskrit syntax. Leyden 1886, repr. Kyoto 196紅sss.〕に参照したなお語句の用例は,インド文 法家の慣例に従い,できるだけ簡略な短文を用いることとし,その ため上記Kielhornの文法から自由に借用し,またMacdonellの著 書に負うところも少くない. 本書は入門書とはいえ,最初の計画より少し詳しいものとなった. 本邦のSkt.学習者がややともすれば簡単な初歩文典の学習に満足 し,それ以上に文法の知識を深める意欲なく,ただちに高級な専門 書の解読に進む傾向を憂い,深遠極まりのないSkt.の一端を垣間 まえがき V 見る手引を提供したいと考えたためである.Veda文献の研究に進 む者はもとより,二大叙事詩やプラーナを専攻するにしろ,古典文 学の精妙の奥を窺い或いは宗教・哲学・学術の典籍の堂に参ぜんと するにしろ,正規の古典Skt.の基礎知識を体得しておかなければ, 浅薄の戦りを免れない. 本書によってSkt.の学習を始めようとする人は,まず本文(普通 活字の部分)を第1章から読み始めて順次に名詞・動詞の変化に進 み,少くも範例を暗記し,そののち振返って備考と注記(小活字の部 分)を忍含めて読み直し,かつ造語法および複合語の章を読み,最後 に文と従属複文の章ならびに巻末の附録(名詞の格の用法と動詞の 用法)を読了するようにおすすめする.名詞・動詞の形態を十分に 会得したのちでなければ,文例を理解することが困難であるからで ある. この)l厠字を追って進んでも,ー読ただちに全般に通暁するこ とはむずかしいかも知れない. しかし難解の部分にこだわらず数回 錨くうちに漸次疑問は氷解するにちがいない.幸に本書とほとんど 時を同じくして, J.Gonda著・鎧淳訳サンスクリット語初歩文法 (東京1974)が上梓される運ぴとなった.簡潔な文法のほか演習課 題と選文を含んでいるから,初学者はまずこの本によってSkt.の 骨組を覚えたのち拙著を手にするのが最も適切な学習法であると信 じる. 学習者は当初から辞書の使用に慣れることが望ましい.簡便な梵 A 和辞典は存在しないが, A. Macdonell: A practical Sanskrit dictionary. London 1924あるいはN.Stchoupak, L. Nitti et L. Renou: Dictionnaire sanskrit-franQais. Paris 1932が便利であ る.また長年にわたって使用に堪えるものとしては, M.Monier- Williams: A Sanskrit-English dictionary. New ed. Oxford 1899 (repr. 1951)を推す. 本書に引用した語句には一々和訳を添えたが,単語の場合には読 者の記憶を喚起するためのラベルに過ぎず,訳文は何ら文学的効果 vi を意図したものでなく,原則として1人称には‘私,われら’を, 2人 称には‘君,あなた’を使用した.文法の記述が意外に紙数を要した ため,当初予定した諸項を割愛せざるをえなかった.例えば実習用 の選文を欠いていること,*索引を極度に簡単にしたことは,著者の はなはだ遺憾とするところである.またSkt.略史および研究史,ゃ や詳しい書誌も計画の中に含まれていたが,余りに簡略では要領を 得ず,少しく詳細にわたれば到底本書に収められないため断念した. しかし文法の知識とある程度の読書力とを備えて, さらに深くこれ らの問題を研究しようとする人を考慮し,比較的新しい若干の書 名を挙げておく:J. Wackernagel-L. Renou.: Altindi.sche Gram- matik. Introduqtion generale(Gottingen 1957); L. Renou: His- toire de la langue sanskrite(Paris 1956); R. Hauschild op. cit. Bd.I, 1(1958); J. Gonda: Old Indian(Leiden-Koln.1971). これ' ら多くの欠陥を含みつつも,本書が幾分なり本邦の梵語研究に寄与 することができれば幸甚である. 本書の出版に当っては,前著「サンスクリット文学史」(岩波全書 1973)の場合と同様に岩波書店の朝蜘圭一郎氏,伊藤寛明氏ならび に水野清三郎氏の協力と配慮とに負うところが多かった.ここに記 して深く惑謝する. 1974年 2月10日 著 者 京都大学教授大地原豊博士のご懇切な指示(鈴木学術財団研究年 報11,1975, p. 77-80参照)により多数の誤植・誤記を訂正しえたこ 9 とを感謝する. 1976年2月15日 著 者 * 邦語による語彙を伴なう選文集としては,拙著「サンスクリット読本」 (東京・春秋社1975)がある. .. Vil 略字の説明 A. atmanepada, middle voice '為自言',反射態 Ab., abl. ablative 従格 absol., abs. absolutive 絶対分詞, absolute 絶対句 Ac., accus. accusative 目的格 act. active 能動態し adj. adjective 形容詞 adv. adverb 副詞, adverbial 副詞的 Amr. 函nrec;lita 反復複合語 aor. aorist アオリスト augm. augment ォーグメント Av. avyayibhava 不変化複合語 Bv., Bahuv. bahuvrihi 所有複合語 card. cardinal 基数詞 caus. causative 使役活用 cl. classical Skt. 古典梵語,動詞に関してはclass 類 coll. collective 集合(名詞) comp. compound 複合語 compar. comparative degree 比較級 concurr. concurrent 両立する cond. conditional 条件法 COllJ. conjunction 接続詞 coord. coordinate 等位の D., dat. dative 与格 dem. demonstrative 指示(代名詞) den. denominative 名詞起原の動詞 der. derivative 派生語 des. desiderative 意欲活用 Dg. dvigu 数詞限定複合語 du. dual 両数 Dv. dvamdva/dvandva 並列複合語 ... Vlll encl. enclitic 附帯辞 f. feminine 女性 fut. future 未来 G., gen. genitive 属格 ger. gerundive 動詞的形容詞 gr. インド文法家による規定(実用性の乏しい細則) I.., i nst . mstrumental 具格 1mpers. impersonal 非人称 imp£. imperfect 直説法過去 ind. indicative 直説法 indec. indeclinable 不変化辞 inf. infinitive 不定詞 inj. injunctive 指令法 int. intensive 強意活用 . inter. interrogative 疑問(代名詞) interj. interjection 間投詞 . 1ntr. intransitive 自動詞 ipv. imperative 命令法 Kdh. karmadh五raya 同格限定複合語 L., loc. locative 依格 m. masculine 男性 N.,nom. nominative 主格 n. neuter 中性 neg. negative (pcl.) 否定辞 nom. nominal 名詞(文) nom. act. nomen actionis 動作名詞 nom. ag. nomen agentis 動作者名詞 nom. prop. proper noun 固有名詞 num. numeral 数詞 oppos. opposite 反意語 opt. optative 願望法 ord. ordinal 序数詞 P. parasmaipada, active voice '為他言',能動態 p. past 過去 略字の説明 ix pass. passive 受動態,受動活用 pcl. particle 小辞 pejor. pejorative 軽侮語 periph. fut. periphrastic future 複合未来 periph. pf. periphrastic perfect 複合完了 pers. person 人称, personal 人称(代名詞) pf. perfect 完了 pl. plural 複数 poss. possessive 所有(代名詞) prec. ・ precative 祈願法 pref. prefix 接頭辞 prep. preposition 前置詞, prepositional 前置詞的 pres. present 現在 prev. preverb 動詞接頭辞 pron. pronoun 代名詞 pronom. pronominal 代名詞的 pt. participle 分詞 recipr. reciprocal 相互(代名詞) redupl. reduplication 重字, reduplicated 重字(音節) refl. reflexive 再帰(代名詞) rel. relative 関係(代名詞) rt. root 語根 sg. . singular 単数 spec. special 特別の sub ord. subordinate 従属の suff. suffix 接尾辞 super1 . superlative 最上級 suppl et. suppletive 補充語 Tp., Tatpur. tatpuru§la 限定複合語,格限定複合語 tr. transitive 他動詞 V., voc. vocative 呼格 vb. verb 動詞 verb. verbal 準動詞 X 斜線/は‘または’を意味し,小圏点(e.g.0x)は語形の一部省略を 示す・ 太字(1),(2)等は動詞の類を表す.N(ote) =巻末の注, n.=脚 注.その他: cf.= confer'比較せよ';i. e.=id est'すなわち';inf. =in fine'終りに';infra'下記';init. =initio'始めに';scil.=~cilicit 'namely'; sic'thus !'; supra'上記';v.=vide'見ょ'.

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