February 1993 Journal of Japanese Botany Vol. 68 No. 1 53 短報 シロバナコシジシモツケソウ(大場秀章 ,加藤信英b) a Hideaki OHBA and Shin' ei KATO A Whit e Flowered Form of Filipendulaαuriculatα(Ohwi) a b : Kitamura. (Notulae ad Plantas Japoniae II) シモツケソウ属は北半球に広く分布するが,東 信・石沢進がシロパナコシジシモツケソウの和名 アジアで多様化している.これまでの研究者の見 を与え,新潟県三島郡から報告している. 解をまとめると,日本には4または5種があると 最近,著者の一人,加藤は山形県でコシジシモ 考えられる.種レベルではキョウガノコの正体, ツケソウの白花品を見いだした.新潟の標本は確 そしてそのエゾノシモツケソウならびにコシジシ 認していないが,上記のことからコシジシモツケ モツケソウとの関連が大きな問題点として残され ソウでは白花品がまれながら存在しているといえ ている.すなわち,キョウガノコがシモツケソウ る.このことは単にコシジシモツケソウだけでな とコシジシモツケソウの雑種由来なのか,それと く,上記のようにキョウガノコの正体を明らかに も,エゾノシモツケソウを含む東アジア東部に分 するうえでも意味があると考える. 布する野生種そのものあるいはそれから由来する Filipendula auriculata (Ohwi) Kitamura in ものかという点である.この問題はいまだ実証的 Acta Phytotax. Geobot. 20 :1 99 (1962). に検討されていない. f. chionea H. Ohba et S. Kato,f. nov. キョウガノコにはナツユキソウと呼ぶ1型があ A typo flore niveo differt. るといわれている.それは紅紫色花をもっキョウ Typus :J aponia. Honshu,P ref. Yamagata, ガノコとは白色花をもっという点が異なるといわ Nishi-tagawa-gun,A tsumi-machi (Shin'ei Ka- れる.シモツケソウには花色の変化がみられるの to 2,2 4 June,1 990,T I). で,キョウガノコが雑種由来であれば,白花品が Nom. jap. Shirobana-koshijishimotsukeso 存在する可能性は高い.ところが,エゾノシモツ CIkegami and Ishizawa 1982). ケソウやコシジシモツケソウでは白花品は正式に (a東京大学総合研究資料館, は記録されていない.コシジシモツケソウの白花 山形県東田川郡 b 品は1982年に新潟県植物分布図集第3集で池上義 Hideaki OHBA and Shinobu AKIYAMA Lecto-and Neo-typification of 22 Taxa a b : of Asian Saxifragaceae アジア産ユキノシタ科22分類群のレクトタイプとネオタイプ(大場秀章 ・秋山 忍b) a We selected the lecto-and neo-types of 22 Syokubutu 334 (Mar. 1914) ;in Fedde,R epert. taxa of Asian Saxifragaceae (Ohba and 13 :2 73 (May 1914). Akiyama 1990). The photographs of the lecto- Lectotype. Corea (=K orea) media. In humidis and neotypes and also the syntypes are given in secus torrentes silvis Koang-neung. T. Mori no. the above cited literature. All the types are 60,J une 2,1 912. kept in TI. 2) Chrysosplenium discolor Franch. et Sav. 1) Chrysosplenium bαrbαtum Nakai,T yosen var. viridescens Suto in J. Jap. Bot. 11 :4 87