TThhee LLeepipdiopdteorpoltoegiroaollogical SSoooiceityety ooff JJaapapnan 蝶 と蛾 Trans. lepid. Soc..侮)an 47(4):269−277, December 1996 アサ ギシ ロ チ ョ ウ属の 2種 Pαreroni α avat αr 及び P . pαravatar ,の 再検討とス マ トラ産の 1新種 西村 正賢* − − 400 山梨県甲府市武田 4 4 37 山梨大学教育学部生物学研究室 Notes on 」Pareronia ava tar and P. pαrav αtαr (Lepidoptera, Pieridae), description from Sumatra with a of a new species * Masatoshi NISHIMURA Laboratory of Biology, Department of Educat量on , Yamanashi Universlt,y 4−4−37,Takeda,Kofu、Yamanashi,400Japan Abstract Two pierid butterfli, ePsareroni aavatar 〔Moore)and f’. paravata rBingham , are revised , and a new species related to them is describe dfrom Sunlatra as P k)’okoae sp. n. The rnale genitalia of these three species are i11ustrated and keys to them are provided. , Key words Pareronia, P. avatar , P. paravatar, new species ,ヒevlew . Pウar科erのon一ia群属ではあイるン.ドこ,れネらパのー中ルでかイらンスドン北ダ部ラ ンネドパをー経ルてかニ らュ イーンギニドシアナ西に部かまけで分て 分布布すするるシ ロavatチar ョ , (Moore , [1858])はその 他の 種とは翅斑, 交尾器が多少異なる. Avatαr で は前後翅裏面に強い 真珠 状の 光沢を持ち,valva の上面が背方に湾曲する.その他の種で は前後翅裏面の光沢は弱く, valva 一 の上面は顕著に隆起 した り,突起を持っ てい る.この点で 同属内で も他の種 とは異なる 群を形成 する と考えられる.現在 avatar に は原名亜種 とイン ドシナに分布する亜種, Paravata rBingham, 19’07がある.Paravatarは avat αr の亜種として扱われる こ とが一般的で あるが (Pinratan,a 1983), D Abrera 〔1982: 174)は論拠 を挙 げず に 独立 種 として 解説, 図示 して い る. Avatαr は 1858年 Moore に よ りEronia 属の 1種 と して 記載 され た.また paravatarは 1907年に Bingham に よ り , avatar の変種 として記載され,その 後 Fruhstorfer(191 )に よ り亜種とされた. 今回, 筆者 は avat αr とParavaαtr につ い て これまで の 資料をもとに両者の 再検討 を行な っ た.その 結果 交尾器 に は差異が ほとん どない もの の 翅斑に連続性が認 め られない こ と 分布 棲 息地など , , , が 異なる点を考慮して avatar とParavatarを別の種 として 扱う考えを示 した.そ して原記載を参考 に両種の翅面の 特徴を示 し,さ らに交尾器,分布な どに つ い て 知見の追加を行な っ た.また,前述 一 の特徴か ら同 群と考えられ るスマ トラか ら発見された新種を併せ て報告す る.これ ら 3種の 分布 につ い ては被検標本の なかで地点の特定で きた もの を Fig.17 に示 した. 各被検標本の 所在は略号 をもっ て示 した.N は西村,1は稲好, S は進化生物学研究所, KA は片 山,KO は小岩屋, BMNH は大英 自然史博物館の所蔵するもので ある. 本稿をま とめ るに あた りゆか りの森昆虫館の植村好延,進化生物学研究所の青木俊明,山口就平 , 山梨大学の池田清彦,栃木県の稲好豊,片山俊彦,シオ ン短期大学の寺山守 東京都の小岩屋敏 , 吉本浩の各氏に助力頂いた.また,大英自然史博物館の P. R.Ackery 氏に はタイ プ標本を含む,所 蔵資料の確認の際に大変お世話になっ た.紙面を借りお礼申し上げる. − − *’連Co絡rr先es;po19n6d en東ce京2都−1昭7−島8,市N中ak神ag町amZi1,7Ak8ishima,Tokyo ,196 Japan : 一 NNI工I工-EElleoetcrotniroonic LLiibrbarryary Service TThhee LLeepipdiopdteorpoltoegircaollSoocgieitycal Society ooff JJaapapnan 270 diN -ta.- --,v・ :.g .・,./ /- ,,t・,g・..Y)-. ,-. Figs 1-8 . itzreron isapp. I-2. P. avalar, tin ,Biretant iN,epal (DSF) {2 :underside). 3-4. RPmuvalar, cfi, Say Yek Noi, Thailand <DSF) (4 :underside). 5. P. avatar, cii, North India. A syntype with a red type label in BMNH (WSF). 6. 2Pa7uvatar, dn, Tam Dao, Vietnam (WSF) . 7-8 .P. k),oko asep. n., holotype di, Kutacane, Sumatra (S: underside), DSF: dry season form, WSF: wet season form. NII-Electronic Library Service TThheLee piLdeoppteirdoloopgitcaelrSooclleotygical Society oofJfap anJapan Fkereroiiiaavatar lk Vt R bamvatar opptitit t ]Spto:adi 271 ' 't. t. t .,. .,t/./ 1.;tst1 ,t'.'it/'."/±,!t/i," t:,,'g- ., /,. ,,-.: nt..."t.t.... sc. p.,{e;. :e 4 .':.'..・r,//'e'・";/."r':,,1' Figs9-16 . Iikerero nsipap. 9-10 .R valen'a, di, Padang, Indonesi a(10 :underside). Il. R avatar, ?, Sikkim, Jndia (DSF) .12. P. at'atar, ?, Darjceling, India (WSF). 13, 15 .PL Pavavatar ,g, Lower Burma rMyanmar ].Neallotype with a red type label in BMNH (DSF) (15 :unclerside). 14,16 .RParavatar, \, Tam Dao, Vietnam (WSF) (16: underside). DSF: dry season form, WSF: wet season form. NII-Electronic Library Service TThhee LLeepipdiopdteorpoltoegiroaollogical SSoooiceityety ooff JJaapapnan 272 西村 正賢 Pareronia avatar (Moore ,[1858])(Figs 1, 2,5,11,工2) Eプo伽 at:atar Moore,[1858],加 Hors五eld & Moore,(rat.勧 id“. btsect s1”:61, pl.2a,且g.1. Syntypes 6 ♂,N .India;Darleeling [syntype 1♂ (wet season form),N .India (BMNH ), examined ]. Pareroni aavatar avatar :FruhstQrfe,r1910, in Seitz,.a4acrolep.id怖b7」49 : 178, pl.66, row a. P a reSryonntiy apavea(tsa)r ♂ a, vaStairkk ifm.;彪Aガs sαamFru[shysnttyoperf e,rl1♂910(, driyn Sseeaisotnz, Mfaocrrmol)o,p“iSdi.kk砿iomガ, ゴMa9rz;1−7A8p, rpill.”66(B, MrNoHw a)., examined ]. ’ ’ Pa’reronia avatar :D Abrera,1982, Buttepties Onental 1〜eg.1:174,丘g. rvepheronia avatar :Niceville,1882,1. Asiat. So‘. Beng.(pars II}51:64. 悔 」召万α avatar avatar :Talbot,1939, Fauna B7: lndia〔Butterfli)e1s (2nd edn );481. 雄 (Figs /, 2,5).翅形 は前翅前縁がやや丸みを帯びる.外縁 内縁は直線的,外縁角は丸み を帯び る.翅頂部は突出 しない .後翅 は全体的 に丸み を帯び る.翅表の 地色は青白色 翅脈上に黒褐色鱗 , 粉がみ られる,前翅の 前縁, 外縁は黒褐色帯で 縁取 られ る.黒 褐色部 は翅脈に沿っ て基方に 向か い クサ ビ状に入 り込む.この部分の 発達は第4脈よ り前方の 脈で よ り顕著になる.後翅の外縁は きわ めて 細い黒褐色帯に より縁取られる.各翅脈端で黒褐色帯はわずか に発達し基方へ 入 り込む.前後 翅 ともに黒褐色部は雨季に出現する個体の方が よ り発達する.翅裏は前後翅ともに真珠状の輝き を もっ 青白色.翅脈上 に淡黒色の鱗粉がみ られる. 雌 (Figs 11,12).翅形 は雄 と同様 .前翅表面の地色は淡い 灰 白色.外縁部,前縁は茶褐色帯で 縁取 られる.各翅脈上 も同色の鱗粉に覆われ るが ,中室端脈 は不明瞭で ある.中室内に も痕跡程度に茶 褐色の 2本の 縦条が現われる.外縁茶褐色帯内の第 3−6室に か けて淡い 灰白色斑を現わす.後翅翅 表は淡い 灰白色.外縁部は帯状に,1c脈を含む各翅脈上 は茶褐色の鱗粉に覆われ る.中室端脈上の 茶褐色鱗粉は痕跡程度で ある.外縁茶褐色帯内の第 2, 3室に灰白色斑が現わ れ る こ とがある.翅裏 は真珠状の光沢 をもつ 淡い 灰白色.各翅脈上にわ ずか に茶褐色の鱗粉が散布され る.乾季の もの に 比べ ,雨季に出現す る もの は全体的に茶褐色部が より発達す る. 前翅長.34−66mm (平均 :乾季型で は35 mm 前後, 雨季型で は 60 mm 前後〉. ♂交尾器 (Figs 19,22−24), Tegumen は背面後方で僅か に凹む. Uncusはクチバ シ状に突出 し,下 方に僅か に湾曲し,先端は丸み を帯び る,Saccusは前 ・後部 ともに丸 く,tegumen の 3/4程度の長 すさ.るV.alこvのa部は後分方に へは図向か(Fっigてs 細22−く24な)りに,示上す面よはう背に方個に体湾差曲がすみるら.れ先た端. 部Phはal腹l方usはに太湾入く背し方, に細湾く曲突し出, 先端は鋭 く尖る. 分布,ネパ ール,イン ド (シ ッキム,ア ッ サ ム),ブータ ン,ミャ ンマ ー,タイ 噺 記録). Smith (1989)はネパ ール での 詳細産地を挙げて い ない が 分布をEast, Central Nepal (Kaski dist.) として い る.また タイで は これ まで 文献上未記録で あっ,た.本種は 1,500−2,000 m の 高地の樹林で 確認されてい る. 被検標本,NEPAL − Biretanti: 1♂, 21. vi.ユ974 (S). Num :1♂ (KA ). INDIA − Sikkim, Dar− jeelin:g/7♂ 15♀ (雨 季 型)(BMNH );11 ♂ 1 ♀ (乾 季 型)(BMNH ). Saitu, Manipur : 2♂ (BMNH ). Naga Hills: 7♂ 3♀ (BMNH ). Loth River, Mishmis Hills: 1 ♂ (BMNH ). BHUTAN − 1♂ 1♀ (詳細産地不明)(BMNH ). MYANMAR − Putao, Gorlay : 1♂,14. v.1992 (KO ). Lawk Sauk Waterfall: 1 ♂,1, iv,1991(KO ), Sadon : 1♂ (BMNH ), Yem Weytang : 1 ♀ (BMNH ), THAILAND − Nan Province Doi Phu Kha :1♂ 20. ii.1990(N);1♂ 1. iv. , , , 1990(N);1♂,ii.i1991(1);1♂ 25, ix.1991(1);1♂ 2 . ii.1992(N ). , , Pareroni α parav αtar Bingham ,1907(Figs 3, 4,6,13−16) Pareroni aavatar var . paravata rBingham,1907, Fauna Br. “lndia(Butterf”li)e2s(/st edn );278. Syntypes ♂ ♀,Tenasserim [neaUotype ♀ (dry season form),Lower Burma (BMNH ), examined ]. Pareroni aavatar paravatar:Fruhstorfer,1910, in Seitz, MacrolePid.陸bπ49 :178, pL 66, row d ; Pinratana,1983, Butte,fli eTshai.2:23, pl.17;Motono & Negishi,1989, Butternie加s o∫ :50. 一 NNI工I工-EElleoetcrotniroonic LLiibrbarryary Service TThhee LLeepipdiopdteorpoltoegiroaollogical SSoooiceityety ooff JJaapapnan Pareroni aavatar 及び P. Paravatarの再検討 と1新種の記載 273 Fig.17. Collecthlg sites of three species of Pareronia. 1. B量retanti .2. Num .3. Dud − geon.4. Darjeelin.g 5. Manipur.6. Naga Hills.7. Mishmis Hills.8. Putao. 9.Sadon.10. Kalaw.11. Taunggyi.12. Dawna .13. Chiang Mai.14. Doi Phu Kha .15, Loei.16. Chaiyaphum.17. Say Yok Noi,18. Pak Jong.19. − Khao Soi Dao.20. Laos.21. Tam Dao.22. Kutacane(●:∬). avatar , o ;P. para vatar ,■:P. kアoleoae sp. n.). 悔 ’碗 α avatar paravata’r:Talbot ,1939, Fauna Br. India (Butterflie.g)1 (2nd edn ):482. Pareronia paravatar D Abrera,1982,ButterflieOsrientalReg.1 174,fig. : 二 雄 (Figs 3,4,6).翅形は前翅前縁がやや丸 みを帯びる.外縁 内縁は直線的,外縁角は丸み を帯び る.翅頂部は突出しない .後翅 は全体的に丸 み帯びる,翅表の地色は青白色,翅脈上 に黒褐色鱗粉 がみ られるが乾季型で は発達が悪い,前翅の前縁,外縁は黒褐色帯で縁取 られる.黒褐色部は翅脈 に沿 っ て基方 に向かい クサビ状に入 り込 む.後翅の外縁は太い 黒褐色帯に より縁取 られ る.各翅脈 に沿 っ て黒褐色帯 はクサビ状に基方に入 り込む.とくに第 6,7脈 に沿っ て発達 し, その分岐に到達 す るほ どで ある.翅裏は前後翅 ともに真珠状の 輝 きを もつ 青 白色.翅脈上 に淡黒色の鱗粉が み られ る. 雌 (Figs 13−16).翅形は雄 と同様.前翅表面の地色は淡い 灰白色.外縁部,前縁は茶褐色帯で縁取 られ る.1c脈を含む各翅脈上 も同色の鱗粉に覆われ る,中室内に も茶褐色の 2本の縦条が明瞭に現 われ る.外縁茶褐色帯内の第 2−6室にか けて淡い 灰白色斑を現わす.後翅表面の地色は淡い 灰白色. 外縁部 は太 く帯状に,1c脈 を含 む各翅脈上は茶褐色の鱗粉 に覆われ る.外縁帯の前縁 は基方に曲が る.中室内に茶褐色の 1本の縦条が現われ る.外縁茶褐色帯内の第2−5室 にか けて灰白色斑が現わ れる.翅裏は真珠状の光沢をもつ 灰 白色.各翅脈上 に茶褐色の鱗粉が散布される.乾季 の もの に比 べ ,雨季に出現するもの は全体的に茶褐色部がより発達する. − 前翅長.32 50mm (平均 :乾季型で は 33 mm 前後,雨季型では 43・mm 前後). 一 NNI工I工-EElleoetcrotniroonic LLiibrbarryary Service TThhee LLeepipdiopdteorpoltoegiroaollogical SSoooiceityety ooff JJaapapnan 274 西村 正賢 恥 邀 1mm 一 Figs 18−21. Male genitalia of Pareroni aspp . 18. P. kyokoa esp. n. 19. P. avatar . 20.1〕 paravatar.21. P.び祕6ガα 〔R :ring, V :valva , P :phaHusJ :juxta). ♂交尾器 (Figs 20, 25). Tegumen は背面後方で 僅かに 凹む. Uncus はクチバ シ状に突出し 下方に 僅か に湾曲し 先端は丸み を帯びる,Saccus は前 ・後部と もに 丸 く, tegumen の 3/4程度, の 長さ. , Valva は後方へ 向か っ て細 くな り,上面は背方に湾曲す るが前種程盛 り上が らない.先端部は腹方 に強く湾入 し,前種よ り細 く突出する.Fig.25 に Khao Soi Dao の個体を示した.他に Say Yok NQi の個体も検 したがほ とん ど個体差はなか っ た, Phallusは太 く背方に湾曲し, 先端は鋭く尖る. 分布.ミャ ンマ ー,タイ,ラオス,ベ トナム. Pinratana (1983)は本種 をタイの Chanthabur,i Chaiyaphum, Kanchanaburi , Loei, Chiang Mai か ら記録 してい る.これ らの うち筆者の記録 と重複するChanthaburi Kanchanaburi を除き分布図に 示 した.ラオス か らは Dubois & Vitali sde Salvaza(1921)の報告が,初記録 で ある.その後 本野 ・ , 根岸 (1989)もラオ ス か ら記録 して い るが Dubois ら (前出)の 報告 を引用 した と考え られ る、 , 一, これ らに つ い て は ともに詳細産地が不明で あるが ラオ ス か らの確認記録として唯 の もので ある こ とか ら分布図に プロ ッ トした.本種は低地 の樹林で確認されて い る. ア ジア東南部の Pareronia属 は 翅斑 交尾器の 形状 な どか ら avatar と v4ieria の グル ープ に大別 , , 一 NNI工I工-EElleoetcrotniroonic LLiibrbarryary Service TThhee LLeepipdiopdteorpoltoegiroaollogical SSoooiceityety ooff JJaapapnan Pareronia avatar 及び P. Paravatarの再検討と 1新種の記載 275 1mm − − 齟 − Figs 22 25. Valvae of Pareroni aavatar and P. paravata.r 22 24. P avatar (22. Doi Phu Kha ,23. Lawk Sauk Waterfall,24. Gorlay).25. P. paravatar(Khao Soi Dao ). で きる.それ らの種の うち,avatar は ヒマ ラヤか らイン ドシナ北部の比較的高標高地に生息し,既 知の他の種とは明らかに垂直分布上差異が見られ る.この種を祖先的な もの と考える と,他の もの はイン ドシ ナ半島部に進入 した後に 低地の熱帯林にお い て分化し,島嶼に お い て さらに分化,特化 が進ん だグル ープ と考えられる.これ まで 亜種 として扱われて きた Paravatarも,他の種の取 り扱 い を考慮す ると別種として 扱うの が妥当と考えられる. 被検標本.THAILAND − Kanchanaburi Province, Say Yok Noi : 1♂, 12. iii.1977 (S). Chanth− aburi Province, Khao Soi Dao :1♂ 2 ♀,25. ii.i 1983 (1). Pak Jong: 1♂ 2 ♀ (BMNH ). MYANMAR − Kalaw , Shan :ユ♀ (BMNH ). Karen , Dawnas : 3♂ 3 ♀ (BMNH ). Tenasse− − riIn :1♂ (BMNH ). VIETNAM Vinh Phu Province, Tam Dao :1♂ 1♀,1. vii.1991 (KA ). Cochin China, Tong : 1♂ (BMNH ). Cochin China, Ko Tich :1♂ (BMNH ). Pαreronia kyoko αe sp . nov .(Figs 7, 8) 雄 (Figs 7, 8).前翅は前縁がやや丸 み を帯びる.外縁は各翅脈端で僅か に凹み波形.内縁はほぼ直 線的.翅頂部は突出しない .外縁角は丸み を帯びる.後翅 は全体的に丸 みを帯び,外縁は各翅脈端 で僅かに凹み波形.翅表の地色は青白色.前翅で は第 6室 を含む前縁各室 と外禄は黒褐色の太い 帯 で縁取られる.黒褐色帯内は無斑.lbか ら5脈にか けて外縁の黒褐色帯が各脈に沿っ て クサビ状に 基方に突出する.中室端脈前縁部,3,4,5 の各脈上にわずか に黒褐色鱗粉が存在する.後翅外縁は 黒褐色の太い帯で縁取 られる.黒褐色帯 は各翅脈に沿っ て クサ ビ状に突出するが,Paravatarの よ うた第 6,7の ものが とくに発達する ことはない .裏面 は前後翅 ともに真珠状の輝 きを持っ た淡い 青 白色.各翅脈上に僅か に灰黒色鱗粉が存在する. 前翅長.33mm . ♂交尾器 (Fig.18). Tegumen は背面後方で僅か に凹む. Uncus はクチバ シ状に突出し,下方に僅か に湾 曲 し,先 端 は丸 み を帯 び る.Saccusは前 ・後部 と もに 丸 く, tegumen の 3/4程度の 長さ. V出aすlvるa.は後Pha方lへlus向はか太っ くて背細方くにな湾り曲, 上し面先は端背方は鋭に緩くや尖かる.に J湾u曲xtすaはるハ.ー先端ト形は丸で み上を部帯はび半, 僅円上か にに突湾 , , 入す る. Holotype:♂, Kutacane, Ache Province, Sumatra, INDONESIA ,7. xii.1993.タイプ標本は現在 は筆者の手元にあるが,将来は大英 自然史博物館に保管する予定で ある. 一 NNI工I工-EElleoetcrotniroonic LLiibrbarryary Service TThhee LLeepipdiopdteorpoltoegiroaollogical SSoooiceityety ooff JJaapapnan 276 西村 正賢 分布.ス マ トラ. なお,本新種の種小名は妻京子に捧げた もの で ある. 同属の 中で スマ トラ島に分布して い るの は va !eria (Cramer ,[1776])(Figs 9,10)のみで ある.また, 砌 嬬 Lesson 1837の 原名亜種がイ ン ドか らイ ン ドシナ を経て,マ レ ーシ アの Kedawi , Langkawi , 島まで分布してい る.さ らに anais の 1亜種 とされ る nαraka (Moore ,[1877])が ア ン ダマ ン諸島に 分布してい る.分布上で は これ らの 2種が重複あるい は近接す る.これら 2種 と本新種との 区別 は 容易で ある.Valeriaは前翅翅頂部が突出し,翅表各翅脈上に黒褐色鱗粉が発達す る. Anaisの翅 形は近似で あるが ,翅表各翅脈上に黒褐色鱗粉が発達す る.また前翅表外縁の黒褐色帯内の各室に 青白色斑 を現わすものが 多い .Valva の比較で は 祕 6癜 (Fig.21), anais は上面が中ほ どで背方に 強く突出し,その内面に刺毛を密生 した縦長の隆起部が発達する点で容易に 区別 しうる.Valvaの 近似な もの として はフ ィ リピ ンの boebera(Eschsholtz ,[182工]},パ ラワ ン の nishlyamai Yata,ユ98ユ な どであるが,本種は先端の突出が どの種よりも弱 く,丸みを帯びる. P.avatar と近縁 2種の検索表 雄 1.前翅表外縁の黒褐色帯 は前方 ほど幅広 く,各翅脈 に沿っ て クサビ状 に基方へ 入 り込 む ;後翅表 ・…・……………・…………・……・・………・…・・……………・………・・… 外縁の黒褐色帯 は細 い avatar − .前後翅表外縁の黒褐色帯は幅広 く,ほぼ同幅 ;各翅脈 に沿 っ て黒褐色帯は クサビ状に基方へ 入 り込む ;後翅表外縁の黒褐色帯は幅広い ……………・・…・………………………・…・………・………2 2 −..前サ前翅翅ビ状表表部のの黒は黒褐褐と色色く帯に帯第はは6よと,く7く発脈に達発にす沿達るっしがて発,第第達6室し6,室をそ含にの青む分前白岐色縁に部各到室を達残,す外する縁;ほ後は翅ど太で表いあ黒帯る褐で 色縁…帯取…よら…れりP伸aるrび;av後るa翅tクar 表の第 6 7脈上 の クサ ビ状部の発達, は悪い …・・…・…・…・・……・…………・…・……妙o々oα6sp . nov . , kyokoae 雌 ( の ♀は未知) 1.前後翅 とも各翅脈上は茶褐色の鱗粉に覆われ るが,中室端脈上の鱗粉は痕跡程度で不明瞭で あ 2 1 る ;中室内の茶褐色の縦条3は−前6 翅で は痕跡程度に 本, 後翅で は2 3本現われ る ;外縁茶褐色帯 内の灰白色斑は前翅で は第 室 後翅で は通常 これを欠 くが第 室に現われ る こ とがある ……・………………・……………・・,…・……………・…・…・…………・…,・…………・………・……av αtaγ 前後翅 とも各翅脈上 は茶褐色の 鱗粉 に覆わ れ る ;中室端上 の鱗粉 は明瞭 ;中室 内の 茶褐色の縦 条は前翅で は 2本,後翅で は 1本現われ る ;外縁茶褐色帯内の 灰 白色斑は前翅で は第 2−6室 後翅で は第 2−5室に現われる ・・………………・………・……・…・………・…・……・…………Paravat,ar 引用文献 Bingham , C. T .,1907. The Fauna Ofβ瞬 競 加 認α, including CeJ,lon and Bumaa (Butterfli)e2s(1st edn ). ’ 8,480pp .,10 pls. Taylor and Francis, London . D Abrera, B,,1982. Butterf7i qefs the O廰 脇 ♂Region 1.21,244 pp . Hill Ilouse, Melb urne . Dubois, E.& R . Vitalis de Salvaza ,1921,1924. Lepidopteres Indochinois. Faune ent.加40−Chine fr.3; 7−26 (1921); 27−47 (1924). Fruhstorfer, H .,191 . Genus Pareronia. 加 Seitz, A.(ed.), The Macrotepidopte roaf the World 9:177− 181,pls 66−67. Alfred Kernen , Stuttgar.t Moore, F.,[1858]. In Horsfiel,d T .& F. Moore (eds ), A Catalogu eOf the lepidopterou sInsects in the MAulsleeun, mLon(ゾdonnat.urat 班 ∫納 ノat the Ekzs−tlndia House 1.5, [11], 278, 4, 1ユpp., 18 pls. WM , H, 森下和彦 ・矢田 脩, 1981.シ ロ チ ョ ウ科 ・マ ダラチ ョ ウ科.東南アジア島嶼の蝶 2.628 pp.,162 pls.プ ラパ ッ ク,東京. 本野 晃 ・根岸範子,1989.ラオスの蝶.215pp.,6, ll8pls,1map .桐原書店,東京. Niceville, L. de,1882. Second lis tof butterfiie staken in Sikkim. J. Asiat. Soc. Beng .(pars II)51:51− 66. Pinratana , A.,1983.β鶴 6規ガ8∫ in Thailand 2.6,71 pp.48 pls. Viratham Press, BangkQk . , 一 NNI工I工-EElleoetcrotniroonic LLiibrbarryary Service TThhee LLeepipdiopdteorpoltoegircaollSoocgieitycal Society ooff JJaapapnan 'i'Hdi fareroni aavatar XVr R Panzvata ra)"it:t L 1 Mpta) 277 Smith,C.,1989. Butterfies ofAJI?Pal(CentmgHimalaya). 352pp, 356 text-figs. Tecpress Service, Bangkok. Talbot, G., l939 . The Fizuna of Bn'tis hindia ,includin gCewlon and Bunua<Butterflie s1 )(2ndedn ).29, 600 pp., 3pls, 1map. Taylor and Francis, London. Yata, O. & H. Fukuda, 1980 . Description sof the early stages on two pierid butterfii efsrom the Philippines. 7)To AGcz 31:81-96. Summary Two species of the pierid genus threTonia ,R avatar (Moere ,[1858 ]an)d R Pavavata rBingham, 1907, are revised. These two are hardly separable by ma]e genitalia ,but some biological defferenc essuch as the habitat sshow that they represent two distinc tspecies as treated by D'Abrera without comment. A new species, R kyokoa esp. nov., is de- scribed from Sumatra based on a single male specimen. This species is closely related to the above two, but distinguishe dfrom them by the following combination of character- istic sin the male ; 1) upperside of forewing and hindwing with blackish brown marginal border broader, almost same width from anterior to posterior ends, with its inner edge strongly zigzag- shaped, 2) the outer edge of blackish brown marginal border of forewing marginated by a relatively broad belt ,3) the blackish brown marginal border of hindwing with weakly convex inner edge at veins 6 and 7. The specific name of this new species is dedicated to the author's wife for her constant support, (AcceptedAugust 16,1996) Publishe dby the Lepidopterological Society of Japan, cfo Ogata Building ,2"17, Imabashi 3'chome, Chuo-ku, Osaka, 541 Japan NII-Electronic Library Service